肥満のメカニズムと腸内細菌の関係

以前に、「あなたの体は9割が細菌」というタイトルの本について書いたことがあります。(記事はこちら)
その記事でも少し触れましたが、肥満というのはここ数十年ほどの間にまるで感染症のように世界的規模で増えた症状です。前記の本では、ここ数十年の間に増えた疾患を(肥満も含め)総称して21世紀病と紹介していました。かつて、ほんの40年前くらいまでは、この日本では肥満体の人を探す方が難しかったですし、そのせいか未だに食べ過ぎが肥満の一番の原因と考える人が多いのも事実です。
しかし昔から痩せの大食いという諺もあるように、摂取したカロリーがそのまま体重に反映されていない事実は誰でも体験的に知っていることです。
にも関わらずダイエットと言えば未だにカロリーを中心に考えることが多いのはしょうがないことなんですかねぇ。
と、前置きはこのくらいにしまして、今日こんな記事を書こうと思ったのは、あるメルマガを読んだからなんです。
私がほぼ毎日チェックしているブログに「InDeep」というブログがあるのですが、そのブログの作者である岡さんが「まぐまぐ」を通じて発行しているメルマガの今週号が肥満に関してのものでした。
イェール大学の論文の内容をかみ砕いて紹介している内容なのですが、以下に少しだけ内容転載します。(以下転載)

“《肥満を助長する「日常的な三つの物質」》

最近の医学的な見識では、肥満のすべてではないでしょうが、かなりの割合で、
「肥満は腸内細菌のバランスの悪化あるいは崩壊にある」
と考えられています。
というのも、腸内細菌というものの一部は、
「カロリーや栄養素などの吸収をおこなってくれている」
わけで、つまり健全な腸内微生物の環境を持っている人ならば、
その本人は何もしなくとも、
「腸内の微生物がカロリーコントロールから栄養素の適切な摂取までおこなってくれている」
のです。

ですから、先ほども書きましたように、
どれだけ食べても太らない人は本当にどれだけ食べても太らないですし、
逆の例もまたしかりです。

世の中では今もなお、
まるで「肥満の原因は食べ過ぎ」というような考え方が、
ある程度は根付いているように思います。

しかし、現実として、それはあまり関係ないはずです。
あるいは、全員に当てはまる話ではないと。

いくら食べようが、腸内微生物の環境が適切なら、
過剰に摂取したカロリーを微生物が吸収してくれるからです。”

〈中略〉

《砂糖が腸内の有用な微生物を排除しているというのなら》
前回の記事のイェール大学の研究の内容をごく簡単に書けば、

「砂糖は、体重維持と健康に関与する
細菌群が腸内に住み着くために必要な
タンパク質の産生を阻害する」
というものでした。

要するに、砂糖……というか、
正確には、ブドウ糖も果糖もショ糖も乳製品などに含まれるガラクトースも
全部そうなのですが、

「糖が腸内に入ると、その微生物は増えていくことができなくなる」
ということになります。

〈中略〉

……ということは、とても単純な話に帰結してしまって申し訳ないのですが、これは結局、
「間食はいけない」
ということと結びつくのです。

〈中略〉

どうやら、人間というものは、
連続的に食べ物を食べ続けるものではないようなのです。

一日に、二回か三回の食事をたくさんたべて、
それ以外は何も食べない。

糖と腸内細菌の関係から見ますと、
これが本来の人間の食生活というものなのかもしれません。

というわけで、結論は本当に単純なんですが、
短い間隔で間食として糖を含むものを食べ続けることはいけない
ということを書かせていただきました。

(ここまで)

ちょっと長い引用になってしまいましたが、実はこれ私の実際の体験とドンピシャあてはまるんです。
私は元々痩せ形の体型で、痩せの大食いタイプの人間でした。
ところが一時期太った時期がありまして、
元々58kgくらいの体重だったものが最大で75kgあたりまで増えました。
原因は色々重なり合っていてややこしいのでここでは書きませんが、さすがにやばいと思いダイエットを決心しました。
それで毎朝出勤前に30分ほど歩くことから始めたのですが、1年続けても体重はまったく変わりませんでした。
次に始めたのが、引用した記事にもある「間食をやめる」です。
ただ、私の場合それだけでは全く効果は現れず、当時読んだ本に「日本人は伝統的に一日2食だった」と書かれていた事もあり更に朝食を抜きました。
つまり間食をやめ、食事を昼食と夕食の一日2食にしたんです。
一回の食事に食べる量については、好きなものを好きなだけ食べました。
お酒もガンガン飲んでいました。
こうした生活を約1年ほども続けた頃でしょうか。
それまで全く変化の無かった体重が突然落ち始めました。
実は一日2食にしても全く体重に変化が無かったので、もうダイエット自体もどうでもよくなりかけていました。
そんな状況で突然体重が落ち始めました。
落ちると言っても急に10kgほども落ちるといったものではなく、
最初はだいたい1ヶ月で2kg程度痩せ始め、そのうち痩せ幅が小さくなりましたが、
1年くらい掛けて75kg近い体重が60kgほどに落ち着きました。
以来、一度もリバウンドすること無くその体重を維持しています。
これは結果的に、先にご紹介したメルマガの内容を実践した事になるわけで、
腸内の細菌が糖によって減らされること無く、再生する時間を与えていたことになるのだと思います。
その結果、再生した腸内の有用な細菌叢が余分なカロリーを調整してくれるようになり、
結果的に痩せることが出来たと。
長くなってしまいましたが、つまりいくら摂取カロリーを減らしても、人間は痩せるどころか太ることさえあるというお話しでした。

さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。

◎ソース焼きそば
◎豆腐と椎茸と豆苗のすまし汁

 


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