先日の記事で川で捕ってきたナマズを祖父が蒲焼きにしてくれた話しを書きました。ナマズに限らず、当時私が暮らした田舎ではまだまだ自給自足の雰囲気が残っていて川の魚は当然全て食べていましたし、今で言うジビエなども食べていました。
海に比べて川の魚は種類が少なく、サイズも小さいので豪華な料理にはならないのですが、オイカワ(私の地元ではハエと呼びます)などは、素焼きにして三杯酢に漬けておくと骨まで柔らかく大変美味しく食べられます。釣具店に行くとオイカワ専用の毛針がありまして、それを川の上流から流れに沿って流して釣る方法を「ハエ流し」と言って子供の頃よくやりました。なかなか難しい釣りなんですが、コツをつかむと面白いように釣れるのでよくやったものです。
そんな古い田舎の食生活の中でも、私が今でも美味しかったなと思い出すのが「タニシ」なんです。
そうです。田んぼにいる黒い巻き貝のタニシです。自分で実際に料理したことはないのですが、時々食べる機会がありとても好きでした。
母に食べたいとねだったこともあったのですが、何でもかなり面倒くさいらしくいつも適当にスルーされていました。
思うに、タニシは田んぼかその周りの水路にいるので、捕ってきたものをそのまま食べると相当泥臭いはずです。ですので恐らく数日程度は水を替えながら泥抜きをする必要があったでしょう。そうして下処理したものを茹でたら今度は一つずつ中身を貝殻から外さないといけません。そんな面倒くさい作業をしないといけないくせに、殻から出した身は小さなものですから、家族皆で食べようと思えば相当な数のタニシが必要になります。昔のおおらかな時代でも敬遠したくなる作業だったろうと今では思います。
ところで、私が好きだったタニシは醤油で甘辛く煮たものでした。甘辛くといっても佃煮のようなものではなく、普通の魚の煮付け程度の甘辛です。独特の旨味があり、ご飯がすすむ味でした。いつか機会があれば、今度は自分で作ってみたいと思う今日この頃です。
↓こちらはネットで見つけたタニシの煮付けの写真です。
さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。
◎鶏手羽元のロースト
◎夏野菜のショートパスタ
◎ビーンズサラダ