「ニギス」「グベ」ときたらやっぱりこの魚の話しをしない分けにはいきません。
「キツネダラ」です。ちなみにこんな魚です。結構インパクトのある風貌ですが、これを正面から見ると顔がキツネに似ているので私の地元(兵庫県但馬地方)ではキツネダラと呼んでいました。
先のリンク先の表記ではタナカゲンゲとなっていましたので、一般的にはその呼び方なのだと思います。
実はこの魚、10年ほど前でしたか鳥取県が地元名物として売り出しまして、鳥取の呼び方「ババア」で知っている方が多いかもしれません。この呼び方も魚の顔からきたものらしいです。
私が子供の頃、つまり昭和40年代頃には私の実家方面で「タラ」と言えばこの魚だったように記憶してます。いわゆる真鱈はほとんど食べた記憶がないんですよね。それこそおせち料理の棒鱈くらいでしょうか。この魚もグベやニギスと同じく底引き網で上がってくる魚で深海魚です。
食べたことないで思い出しましたけど、私が子供の頃は地元の魚屋さんにもスーパーにもサンマは売っていませんでした。ですので多分高校を卒業して大阪に出てくるまで、サンマを一度も食べたことが無かったのではないかと思います。少なくとも意識的にサンマを食べるぞと思って食べた記憶はありません。
サンマは北の方で獲れますが、太平洋側の魚なんですかね。日本海側の地域では超マイナーな魚でした。今は普通に売ってますけど。
さて、話しは再度キツネダラ。この魚、食感はタラとは全然違いまして、真鱈に比べると結構しっかりと弾力のある肉質です。脂も乗っていますので鍋や煮付けに限らず焼いても揚げてもとても美味しい魚です。太平洋側では獲れない魚のようで、大阪のスーパーで見かけたことは只の一度もありません。
値段はグベやニギスに比べると結構高いですが、それでも充分庶民の味方な値段だったと思います。昔はこれを切り身ではなく丸ごと買ってきまして鍋にして食べたんですが、あの特徴的な顔の周りに肉がたっぷりあって美味しかったと記憶してます。父の介護で実家に戻っていた頃には時々買ってきましたが、スーパーだと切り身でしか売っていませんでした。皮も取り除いてあったのでなんだか別の魚を食べている様な気がしたものです。皮や顔の周りのゼラチン質がとっても美味しいのに……。
まぁ、もし丸ごと売っていたとしても父と二人ではとても食べきれなかったろうとは思いますが…。
どんどん寒くなるこれからの季節。熱燗飲みながら鍋をつつく一時がほんとに幸せだと思う今日この頃です。
↓プチッとするのが幸せだと思う今日この頃です。