料理の常識を疑ってみる『出汁編』

私は仕事として料理を作ることもありますが、地元でボランティアとして料理を作る機会も持っています。
ボランティアで料理する場合は、一緒に料理を作る人は主婦などのプロの料理人でない人達ばかりです。
そういったいわば素人の人達と会話していると、時々調理法についての「常識」で意外と知られていない事や間違っている事があるのを発見します。
今日はそんな話題をひとつ。
和食に欠かせないのが昆布と鰹節で取る基本の「出汁」ですが、料理本などでは多くは最も基本的な取り方のみ記されているので、出汁の取り方はその取り方だけが正しい取り方で、他の事をやってはダメだと信じて疑わない方が多いんです。
先日もボランティアで作る予定の料理が煮こみ料理だったのと出汁用の鰹節が荒削りタイプの混合節だったので、材料を水から投入して出汁を取ろうとしたら主婦の方に叱られてしまいました。
その主婦の方は、出汁を取る際に鰹節を投入するタイミングはお湯が沸いてからでないとダメだと思い込まれていたようです。
その経験から、こういう思い込みは意外と多いのだろうなと思いましたので、今回ちょっと記事を書かせていただきました。
まず、出汁を取る際の一般的な常識は以下の様なものではないでしょうか。

    ①昆布は水から入れて沸騰する直前に引き上げる
    ②昆布を引き上げたら鰹節を投入し、一煮立ちしたら火を止める
    ③鰹節が沈んだら出汁を漉す

これは、いわゆる一番だしを摂る場合の方法なのですが、
これが唯一の出汁の取り方と思っている方が多いかもしれません。
出汁を取るという行為は、昆布などの旨味を水に移す作業な訳ですが、単純に考えて煮込めば煮込むほど旨味は出てきます。
ではなぜ昆布は沸騰前に引き上げ、鰹節はお湯が沸いてからほんの少しだけ煮て火を止めてしまうのか。
これは雑味を出さない為と、香りを飛ばさない為。それと、昆布を多く入れた場合は、煮込むと昆布独特のヌメリの様なものが出てしまいます。
これらを防ぐ為に長年の料理人達の経験から上記のような一番だしの取り方が出来上がってきたわけです。
ですので、この一番だしというのは、いわば料亭などのプロ仕様の出汁と思ってください。
料亭などでは、同じ水の量に対して使う鰹節や昆布の量は家庭と比べものにならないほど沢山の量を使います。
なので上記の様な方法でも旨味十分で香り豊かなすっきりとした味わいの出汁が取れるのですが、
ご家庭で同じ様な事をしたら鰹節や昆布がいくらあっても足りません。どちらも安くない材料ですから、やはりそれなりの量で最大限の旨味を出すのが家庭向けの出汁の取り方と思います。
そこで、私からご家庭用の出汁を上手に節約しながら取るコツをお教えします。
 

  • コツその1…使う料理によって出汁の取り方を変える。
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    例えば、肉じゃがなど煮込み料理に使う場合は、カツオの香りは煮込む過程で多くは消えてしまいます。この場合は昆布も鰹節も水から投入して十分に煮立てて旨味を抽出した出汁で問題ありません。少ない量の鰹節と昆布でもしっかり煮込めば旨味が出ますし、煮込み料理は濃い味を付けることが多いので雑味も気になりません。

     

  • コツその2…顆粒タイプの出汁と上手に組み合わせる。
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    例えば、一番だしを取ったあとの出し殻を捨てるのがもったいない場合、家庭でも二番だしを取ることがあります。そういった場合、「本だし」などの顆粒タイプの出汁を少し加えてやればグンと美味しくなります。顆粒タイプだけで味を付けるとどうしても化学調味料的な味が勝つのですが、薄い出汁を補強する目的で少しだけプラスするとその部分も気にならなくなり、料理の味を引き立てます。
    そして、これが大切なポイントですが、顆粒タイプの出汁を投入するのは料理の味付けをする前と出来上がる直前の2回に分けて入れるのがベスト。最初の投入で出汁に旨味をプラスし、最後の投入で料理に香りをプラスします。

    以上はどちらも実際の調理現場でも使われている方法ですが、家庭向けの知恵と言えるかもしれません。

    さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。

    ◎カツオのたたき
    ◎オクラ納豆
    ◎ワカメスープ
     
     
     


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