日本で断捨離が流行ったのはもう結構昔のことになりますが、その断捨離が今頃になってまさかのアメリカで流行ってみたり、
日本でもミニマリストなる人達が出現したりと「モノ」に囚われずに生きる人達が特に若い層中心に増えているのでしょうか。
私は東京オリンピックの歳に生まれた世代で、この世代はまさに高度経済成長期とともに成長し、バブル経済真っ盛りの中で就職しバブルの崩壊でリストラされるといった風にアメリカ発の強欲資本主義に翻弄されてきた世代とも言えます。
特にバブルが崩壊してからのデフレ社会では、我々の世代が戦後初めて親より貧乏になった世代とも言われました。
これが我々世代より一世代上のあたりは、バブルでそこそこ美味しい思いもした世代なんですが、
我々は当時まだ若すぎて株を買うようなお金もなく、好調な経済の元ひたすら忙しい思いだけした世代だと思います。
さらに悪いことには、給料は安くてもバブル期の銀行はジャブジャブお金を貸してくれましたから、
安月給で慎重な人でもちょっと無理をすればマンションを買ったり出来てしまいました。
バブルが崩壊してから、この時期に無理をして不動産を買った人達が高い金利と不動産価格の下落による含み損に耐えきれず次々と自己破産に追い込まれてしまいました。
自己責任と言えばそれまでですが、当時誰一人不動産が値下がりするとは思っていませんでしたし、ましてここまで安くなるとはまさに想定外の事でした。
そうした様々な経験の上に今の世の中の風潮といいますか、空気の様な物が出来上がっているわけですが、私が一番象徴的に難じるのは若い世代、特に男子の「モノ離れ」と「恋愛離れ」です。
今の若者、特に男子ははかつての若者の様にブランド品に踊らされるでもなく、無理して買った車を乗り回すでも無く、ただ淡々と生活しているように見えます。
唯一の贅沢はスマホとその関連の消費に向けられるだけ。草食と呼ばれる男子は女性を口説きませんし「モノ」に対しても草食な印象です。
そんな事を考えていたら、私がいつも見ているブログ「InDeep」さんの記事に、ローマ帝国が滅亡していく過程で顕著な出生率の低下があったと書かれていました。
これを読んで思ったことは、やっぱり人間は本能的に分かっているんだという事です。つまり唯物論で出来上がった今の文明がもう限界に達していることをです。
歴史上、数々の文明が生まれては消えていきましたが、今我々が生きているこの現代文明もそろそろ終わりが近づいたという事だと思います。
そんな事を思いながら、今日はルドルフ・シュタイナー博士が随分昔に語っていた言葉で締めたいと思います。
「そうして、人間は自分がどの方向に行くべきかを知るべきでしょう。抽象的な理想の代わりに、前進する進化に相応する具体的な理想が現れるでしょう。そのようなことが達成されなかったら、地球は唯物論のなかに沈没し、人類は大きな災害ののちに、この地上で、あるいは次の惑星ですべてを新たに始めねばならないでしょう。」
さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。
◎鯖の煮付け
◎大根と厚揚げの煮物
◎ほうれん草の胡麻和え