夏とクワガタとカブトムシ、そして時々オオムラサキ

よく歳を取ったらのんびり田舎でリタイア生活という話しを聞きますし、実際にそうした生活を楽しんでいる方も多いご時世だとは思います。
私は田舎で育って都会に出てきたパターンですが、老後を田舎で過ごすのには不安を感じます。やはり色々便利な都会で老後を迎えたいと考えています。
そんな私ですが、子供時代を田舎で過ごせたのは本当にありがたい事だったなと思います。ですから、自分に子供が出来たときにも、出来るだけ私と同じような体験をさせてやりたいと思ったのですが、全く無理でした。私が子育てをしていた頃に住んでいた地域はそこそこ自然も残っていましたが、川に入れば危ないと注意され、釣りをしようと思えばどこもかしこも「釣り禁止」。子供の足で、子供だけで行ける身近な自然の中での体験こそが子供の想像力と創造力を育むものだと思うのですが、もう今の都会では完全に管理された場所にわざわざ出向くしか自然と触れ合う術はありませんでした。
仕方がないので、車で遠方までよく連れて行ったものですが、果たしてそれが子供たちの心の中にどんな風景を作ってくれたのか…。
さて、そんな愚痴はさておき、タイトルに関連した思い出話が今日の話題です。
学校が夏休みに入ったこの時期。私の子供時代はもう毎日朝と夕方近くの雑木林にクワガタを捕りに出かけていました。毎日行くのですが、おかしなものでクワガタやカブトムシを捕りに行くときだけは、必ず一人で行ったものです。日中川に魚を捕まえに行くときには友達を誘っていくことも多かったのですが、クワガタだけは別でした。それは近所のガキ同士で自分のクワガタやカブトムシを見せ合って自慢するからなんですが、一緒に行ってしまうと目の前の大物を横取りされる可能性もあるので、自然と一人で行くようになりました。場所に関しても勿論秘密です。自分で見つけたすごい場所は絶対誰にも教えませんでした。
この感覚は、今の子供たちが「遊戯王」や「ポケモン」のカードを持ち寄って自慢し合うのと同じ感覚だと思います。
ところで夏の朝、眠い目をこすりながらうっそうとした雑木林に一人分け入り、目当ての木にたどり着くまでのあのわくわく感。目的の場所が近づくにつれ徐々に漂い始める独特の樹液の臭い。そうして目的の場所に到着した時の、まるで宝の箱を開けるときの様なドキドキした気持ち。
それで実際に大物をゲットしたときの高揚感、或いは何もいなかったときの残念な感情…。どちらも今の私の本当の宝物になっています。
今でも時々夢の中で虫たちが樹液に群がる様子を見ることがあります。それは真ん中に大きなカブトムシがいて、その周りにクワガタやカナブンやスズメバチ、そして国蝶オオムラサキが優雅に飛んでいる風景です。本当に豊かな暮らしとはそうした風景の中にこそあるのだなと、今頃になって気付いても、もう遅いのかもしれません。

さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。

◎ぶりの照り焼き
◎春雨の酢の物
◎豆腐と卵の中華スープ

 

 


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