丁度今開催中のピョンチャンオリンピックを見ていてふと思ったのですが、オリンピックに出るほどの選手であってもずっとそのスポーツに仕事として関わりながら一生を過ごせる人はいったいどのくらいいるのだろうかと。恐らくそんなに多くないような気がします。
前にも書きましたが、私の息子は長らくバスケットボールをやっていまして、高校時代はウィンターカップと呼ばれる全国大会にも出させていただきましたし、そのまま大学から実業団とバスケットのおかげで就職まで出来ました。それで数年前に引退したのですが、実業団チームでお世話になっていた会社は辞めてしまいました。会社側は引き留めてくれたらしいのですが、本人曰く子供の頃からバスケの事しか知らずに来たので、何か他の世界が知りたくなったらしく今は全く畑違いの会社で働いています。私の子供と同年代の一緒にバスケをやっていた選手達を見渡しても現役でプロで活躍している選手を除いてバスケットボールと関わりのある仕事をしている子は非常に少ないです。ほんの数人、現在のBリーグのチーム職員として働いている子がいる程度です。
これは、現役時代の経験を生かせる職場は日本ではほとんど無いと言うことを意味します。
ちなみに息子が高校時代に一緒にウィンターカップに行った同級のチームメイトは一人だけが学校の教師になって将来は部活の顧問になろうと思っているらしいのですが、今はその機会に恵まれていません。ほかのチームメイトは私が知る限り誰一人バスケと関わりのある生活をしていません。
私の息子の周りに限らず、これが日本のスポーツ選手達のひとつの現実なんだろうと思います。
文武両道という言葉がありますが、全国レベルを目指すとなると実際には朝から夜遅くまで練習漬けの毎日を送るのが当たり前です。ですので勉強の方はどうしても二の次になりますし、だれもそれをとがめはしません。結果的に普通に受験を経て進学する子供達に比べて劣った学力のまま進学したり社会に投げ出される事になります。
「劣った学力」と書きましたが、それがどういうレベルかというと、普通に中学を卒業程度の学力があれば誰でも読める漢字が読めなかったりします。もしくは間違って覚えていたりします。
そうするとやはり社会に出てから色々な場面で困るだろうし本人も辛いだろうと思います。
日本のアマチュアスポーツ界はそういったアンバランスなスポーツ馬鹿を大量生産してしまう仕組みが出来上がってしまっています。
最近はサッカーのJリーグなどがこうしたセカンドキャリアの問題に真剣に取り組んでいますが、他の団体ではあまりそうした話しは聞きません。
現役選手の親御さんにはこうした事をよく考えてほしいなと思います。私も経験がありますが、子供のチームが強くなってインターハイだのウィンターカップだのと関わるようになってくると、とにかく目先のチームの成績ばかりが気にかかりその先のキャリアの事まで考えが及ばなくなります。
しかしチームが敗れたりしてその熱が冷めると途端に現実に引き戻されて困ってしまうことになります。
人生は引退してからの方がずっと長いという事を、現役時代からしっかり意識させておくのは親の一つのつとめではないでしょうか。
さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。
◎鰯の煮付け
◎豆腐のキノコあんかけ
◎水菜と京揚げの和え物