どこの田舎でもそうですが、昔ながらの暮らしを営む地方の村や町では畑仕事や山仕事などの野良仕事は生きていく上で必要不可欠なスキルです。
私も相当なド田舎の生まれ育ちですから当然最初から都会で生まれ育った人に比べれば少しは野良仕事出来るかもしれません。
しかしですね、これがホントに苦手なんです。苦手ですし、根本的にセンスがありません。
これは数年前に父の介護の為に30年ぶりに田舎での暮らしを再開したときに痛感したことです。
田舎で暮らすと、ほぼ毎月のように村の「日役(ひやく)」という当番のような仕事があります。
例えば、イノシシや鹿除けのフェンスを修繕したり、田んぼに水を引く時期になれば水路の掃除なども大事な仕事です。
こういった村の環境を維持する為の仕事が田舎の村では結構あります。
私も父の介護をしていた2年弱の間は、当然そういった仕事にも参加させていただきました。
その時に痛感しました。田舎の爺さんばあさん達は、ホントに無駄なく的確にササッと野良仕事をこなします。
しかし私の場合、もう農具を構える姿勢からして様になっていません。当然作業は遅くしかも無駄が多いので結局周りの皆さんに助けて頂きながら作業をこなすといった案配になります。
私は現在54歳ですが、田舎の過疎の村では50代は若手の範疇です。当然そういった作業の現場で期待もされるわけですが、結果はいつも裏切ってばかりでした。
まあ、高校を卒業してすぐに大阪に出てきて、それから30年大阪で暮らしていましたから、田舎出身とは言ってもすでに都会での生活の方が随分長くなっています。
子供の頃から畑仕事を手伝うことが嫌いだったせいで、そういった作業のコツを身につける間もなく都会に出てしまったので当然と言えば当然の結果です。
当時村の日役に出ながらいつも「嗚呼、僕は田舎では全く役に立たない人間だ」と言うことを確認させられる毎日でした。
ただ、力仕事は苦手でも料理を作る事とギターを弾いたりすることは得意でしたので、村の祭りや文化祭などではそれなりに活躍させていただきました。
父が亡くなり大阪に舞い戻った今となっては全部まとめて良い思い出になっています。
ところで先日の記事にも書きましたが、都会での生活や就職を嫌い田舎に移住する若者が増えているそうです。
資本主義社会の終わりを示すひとつの兆候だと思うのですが、この記事をそうした若者が読んでくれていましたら、是非お願いしたいことがあります。
田舎に行くなら、お年寄り達と積極的に交わって下さい。そうして日々なにげなくお年寄り達が行っている手仕事や野良仕事を真剣に学んで下さい。
例えば、荷物を結わえる縄の結び方ひとつにしても目から鱗が落ちるノウハウがきっとあるはずです。
そういったノウハウを次の世代に伝承出来るかどうか、もうギリギリのタイミングだと思います。
そうして、本当の意味での持続可能な世の中を若い人達が作って言ってくれればと思う今日この頃です。
さてさて、何はともあれ美味しいご飯があればそれで幸せ。すてきな一日に乾杯。
◎サーモンフライ
◎人参のマリネ風サラダ
◎ワカメスープ