子供の頃、本当に心から一番楽しみにしていたのがお正月でした。
それというのも、別にお年玉がもらえるからとかお餅が食べられるからとかそういった理由では無く、
年末から続くあの独特の慌ただしさと空気感にたまらなくわくわくさせられました。
私が育った田舎の村に限らず、今から50年ほど昔の日本ではどこも同じようだったのではないでしょうか。
お餅一つとっても自家で餅つきをしてそれを餅箱に保管したり、
松飾りの準備なども玄関だけでは無く、床の間や色々な場所にそれぞれ飾るものがあり、
おせち料理も全て自家で作るのが当たり前。
年が明けるとご近所の方々が一張羅の服を着てお年始の挨拶に廻られる。
父や祖父などもこの時ばかりは和服を着込んでお年始に出かけておりました。
そうしてしばらくすると親戚が集まりはじめ、
子供達は花札や凧揚げなどをして遊び、
大人達はお酒を飲んで何やら楽しそうに盛り上がる。
そういった風景が日本の一般家庭のスタンダードだったのではと思います。
そういった風情がどんどん無くなっていったのはいつ頃からかなと考えてみたのですが、
百貨店やスーパーが元旦も営業するようになったあたりからの様な気がします。
それがいつ頃だったのかはっきり覚えていませんが、
バブルの頃にはすでにそうなっていました。
そして近年では年賀状すらメールやラインで事足りるようになってしまい、
お正月の特別感はどんどん薄れてしまいました。
それも時代と言ってしまえばそれまでですが…。
私たち大人は、子供達にほんとに無味乾燥な社会を受け渡してしまったのだと申し訳ない気持ちでいっぱいです。
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